自己破産の基本的なこと

自己破産のデメリット

自己破産は、「借金が帳消しになる」というメリットだけではなく、デメリットもいくつかあります。デメリットがあるからこそ、なかなか自己破産に踏み切れない人が多いのです。

しかし、実際なかなか踏み切れない人のほとんどはそのデメリットが一体何なのか具体的には知らず、「自己破産はデメリットが多い」というイメージだけで悩んでいる人が多いようです。

まずは自己破産によるデメリットについて正しい知識を身につけましょう。

 

1.財産を処分することになる

デメリットの1つ目として、「財産の処分」が挙げられます。ですから、「せっかく手に入れたマイホームを手放したくない!」という方には自己破産は不向きと言えるでしょう。借金は帳消しになるがマイホームは手元に残る・・・残念ながら、そんな都合のいい話はないのです。

自己破産を行うと、売却しても20万円に満たない財産(家具等)、金銭99万円は所有し続けることが出来ますが、不動産や株券等の価値ある財産は全て処分されてしまいます。

持っている財産を処分せずに借金を整理したい場合は「個人再生」という方法が適しています。

2.保証人に請求がいく

私の考える自己破産の最大のデメリットは保証人に借金の肩代わりをさせてしまうことです。

自己破産は「借金が消えて無くなる」のではなく、「債務者の支払い義務を免除する」事なので、債務者が自己破産して免責が確定すると、保証人は保証した借金の全て(利息分も含む)を支払う義務が発生します。

保証人がその借金をすぐに返済できるような人であればまだいいのですが、その保証人も支払い不能になった場合、保証人も自己破産等の債務整理を検討しなくてはならなくなります。保証人がいる場合は、自己破産は自分だけの問題ではありません。保証人に必ず相談し、どうするべきか検討して下さい。

逆に、保証人のついていない借金(クレジットカード・消費者金融等)は、例え家族であっても返済義務はありません。

3.ブラックリストに載る

ブラックリストというのは、「個人信用情報機関の事故情報」のことです。

個人信用情報機関とは、個人のローン・クレジット契約内容に関する情報を登録している機関で、消費者金融やクレジットカード会社は審査の際にお客さんの他社も含めた融資履歴などを照会し、融資して大丈夫か、支払いが滞った事はないか等を調べて融資の可否を決めています。

自己破産をすると5~7年、その情報が個人信用情報機関に「事故情報」として登録されます。そのため、事故情報が削除されるまでの間は、クレジットカードの作成・使用、ローン利用等が出来なくなります。

5~7年で事故情報は消えますので、消えた後であればクレジットカードもローンも利用できるようになります。

クレジットカードの使用も借金のようなものですので、5~7年は借金をせずに暮らすリハビリだと思って下さい。

4.官報に載る

官報とは国が刊行している機関紙で、新聞のようなものです。自己破産を行うと官報の公告欄に名前と住所が記載されます。ですので、破産をすると世間一般に公開されることになります。

と言っても、消費者金融(特にヤミ金)は毎日チェックしているであろうこの官報も、一般人で見ている人は皆無に等しいと言えますので、実際に自分が破産した事が周りに知られることはほとんどありません。

ですので、デメリットと言えばデメリットですが、デメリットではないと言えばデメリットではありません。

5.一時的に資格制限を受ける

自己破産手続きが開始されてから免責が決定するまでの間、公法上・私法上の資格制限を受けることになります。

公法上の資格制限とは「弁護士・司法書士・税理士」等の職業に就けなくなる事で、私法上の資格制限とは「会社の取締役・監査役」等の役職に就けなくなることを指します。

ただしこれは自己破産手続き開始から免責決定までですので、実質数ヶ月間だけの制限です。免責が決定すれば「復権」を得られますので、再び上記の職業・役職に就くことが出来ます。こちらは一時的なデメリットと言うことが出来るでしょう。


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Last update:2022/12/2